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私Oはサラリーマン。お給料を頂き家族を養うために働いています。
毎日休む間もなく多忙ですが自分はお客様、お取引先様、社員の皆さんのお役に立てる様にと誠意をもって勤めています。M支店の主役は何と言っても売り上げに貢献する営業マンです。それに比べて私Oがやっている仕事は誰にでもできる雑用と見なされています。いつか迫くるDX(デジタル技術が仕事を変える)の大波、Aiの進化普及で自分が携わっているような仕事は人がやらなくなるという予感はあります。
世の中には会社を辞めて大学院か専門学校に入り直してリスキリング(学び直し)する人もいる様ですが、お金はないし収入は無くなるし学んだ事で食べて行ける保証はないしとても踏み切れません。
私だって本当は好きな事で生きていける様になりたい、やりがいがあってワクワクする仕事がしたい。生涯携わりたい仕事に就きたいという思いはあります。
そんなある日、私OはM支店毎年恒例の秋の慰安旅行の幹事に選ばれました。
(尚 本エピソードは実際にあった事ですが登場人物はアレンジしています。本当の登場人物が特定されると迷惑が掛かる人がいますので。ストーリーは事実に基づいています。)
慰安旅行本来の目的は社員の慰労、職場内の風通しを良くする事のハズ。ところがM支店の慰安旅行は年配男性向きのメニューが選ばれます。宿は和風旅館、名のある温泉、夕食は豪華船盛料理とかお座敷宴会、翌朝はゴルフ。ボス(所長)好みに忖度されています。
その上、実施日は必ず土日の休日です。更にカラオケで歌わさせられたり、宴会芸をやさられたりして社員達は”やってられない感”が蔓延していました。でも ハッキリと改めるべきと主張する社員は誰もいません。人事考課を恐れる人は参加、どうでも良い人は不参加という空気でした。
これまでの慰安旅行の決め方はこんな感じです。宿の手配や観光バスチャーターは旅行代理店Xに丸投げ。秋(10月~11月)に旅行を実施する為には 春(4月末)までに参加人数を確定し 旅館と観光バスを抑えなければなりませんでした。
誰かが旅行代理店Xからバックマージンを受け取っているかは不明です。でも宿とか食事とかサービスに質の低下が感じられていました。
ここ数年参加率がダウン、ついに去年の参加者は半分以下に減ってしまいました。
しかも本社命令で2年前から”会社負担は一人一万円迄。不足分は自己負担”」とされました。従来は参加費は会社が全額負担でした。現在、社員は毎月給料から2千円ずつ天引きされ慰安旅行費として積立てさせられますが不参加の人は全額返金されます。
ボス(所長)は今年の慰安旅行幹事にこんな目標を達成する様に言い渡しました。
慰安旅行の幹事は私Oを含めて以下の4名です。
名前 | 幹事役割 | M支店での職種 | 取り組み姿勢 |
K男 | リーダー | 営業トップセールス |
接待旅行で経験豊富。 |
S子 | メンバー | 電話オペレーター | 日和見派 |
R子 | メンバー | 電話オペレーター | 楽天派 |
自分O | 会計 | 庶務係 | 慎重派 |
リーダーのK男は「任せて下さい。ご期待に応えて見せます。」とボス(所長)に豪語します。彼は若手ですが自分の株を上げたいとやる気満々です。また、営業の仕事で接待旅行を数こなしており団体旅行の経験が豊富です。
リーダーK男は今年の慰安旅行は遠方豪華旅行(能登か金沢のグレードの高い宿、名の知れた温泉、 豪華船盛料理、朝ゴルフ)を主張します。採算が合うものか懸念されましたが、K男は”問題ない”と言い張ります。
K男「日頃よく利用している旅行代理店Xに頼めば、格安で良い所を利用できるはず。」
そう言って旅行代理店交渉を会計の私Oに押し付けます。それ以来、旅行幹事会の打ち合わせではK男がS子、R子とともに宴会芸の練習に興じてばかり。
私Oは旅行代理店Xに出向き、K男案”遠方&豪華旅行”のプラン化と見積もりを依頼しました。ところが旅行代理店Xの所長はそっけなく、想定を超える高額見積もりを提示されます。
(新型コロナウィルス自制前のお話です。)
ここに至って初めて、自分達幹事がとんでもない立場にいる事を思い知らされます。
ところがK男が中々聞こうとしません。
K男「旅行代理店Xは今まで散々利用してやったんだ。Oさん、あんたの頼み方が悪いんだよ。」
K男「言う事を聞かないなら、”今後他の旅行代理店に替えるぞ”と言ってやれ。」
K男はS子、R子達と宴会芸の練習に興じ続けるばかりで何も決まらないまま日数だけが過ぎて行きます。そうしているうち有力な旅館やホテルの空室がどんどん予約で埋まって行きます。
私Oは事態を打開する為、他の旅行代理店Y社、Z社にも見積もりも取った上で、一体何人参加すれば参加費は幾らになるかを収支シミュレーションをしました。
社員の慰安旅行積立金から参加費は積立金約2万円以内に抑えるのが妥当かと思われました。
私OはこんなEXCEL表を準備して幹事ミーティングではパソコン画面を会議室のプロジェクターで表示します。そして参加人数や宿泊費 バスチャーター代などを入力すれば参加費が直ぐ計算される様にしました。
旅行代理店X社、Y社、Z社とも皆等しくK男案 遠方&豪華旅行案では例え30名が参加しても参加費が3万5千円かかる見通しとEXCELの表とグラフで標示します。
3万5千円はパック旅行よりもずっと高く皆が快く参加してくれるとは思えません。もし前年度並みの15名しか参加しなければ 参加費が4万9千円に跳ねあがり旅行代金としてはあり得ません。
こういうシミュレーションを会議室の大型モニターに標示して幹事会で課題を見える化しました。
こういう見える化の説得力は意外にあって、強硬派のK男も流石に自案を取り下げました。
しかし
K男「自分は営業の仕事が多忙になってきたのでOさん、あんたが慰安旅行の幹事リーダーを変わって下さい。」とこちらに投げてきました。
会議終了後、私Oは流石に「やっていられない。」と凹みましたが、S子とR子が私の健闘を褒めてくれます。
R子「K男さんは営業所の皆に 豪華旅行が積立金以内(約2万円)で行けると吹聴する寸前だった。」と言います。
もし積立金以内(約2万円)で行けないとなると誰も参加しなくなるか、最悪不足分を幹事が負担する羽目になったかも知れません。それを事前に止めてくれたのだから偉いと言ってくれます。
私Oは腹を括りました。今までの私Oは言われた仕事をこなすので精一杯、自分の庶務の仕事でもマンネリ化し、歪められ、時代にそぐわなくなった仕事が幾つもありますが前例踏襲主義の上司に阻ま何もできませんでした。でも今回は収支シミュレーションで旅行幹事会の方針を変える事ができました。これだって立派なDXだと思えます。K男からどうしようもなくなってリーダーを押し付けられましたがマンネリ化し、歪めら、時代にそぐわなくなった慰安旅行を本来あるべき姿に変えたいと思う様になりました。
幹事リーダー代行になった私Oは先ずはチームをあり方を変える事にしました。私OはS子とR子を対等なスタッフとして彼女たちの意見よく聞くように心掛けました。K男がリーダーだった頃はS子とR子、私OはK男が決めた事を実行する駒にすぎませんでした。
会議メンバーの意見をEXCELの議事メモに書き込みます。心掛けたのは出された意見が採用決定でなくても書き残すという事です。その時はどうかと思えても後で役立つ事があります。誰でも自分の意見を聞いてもらえれば嬉しいものです。
更に仙台に異動した幹事OBの意見も聞くようにしました。会議室で対面していなくてもTV会議とかチャットを使った方が意見が言いやすいという場面も確認できました。幹事OBからはボス(所長)に忖度しすぎると多くの社員の反感を買うとアドバイスをもらえました。
こうやってお互いが言っている事を見える化すると話が建設的に発展しますし、あまり発言しなかった人からも意外に良い意見が出てきます。
何事に対しても人の考えは夫々異なるものです。経験的に申し上げますと10人いればだいたい消極(否定)派:日和見(中立)派:積極(肯定)派 =2:6:2位に分布します。
ここで全員の総意がどこにあるかを見極めようとする気持ちが大切です。それが自分の意見と大きく違っていても自分から歩み寄りましょう。そして、どうすれば良い方向に持っていけるかを皆で議論しましょう。
Aiやデジタル技術を使えば総意に迫れます。このエピソードを参考にされてください。
尚、後々分かる事ですがK男は自分の案(遠方豪華旅行)が絶対に正しいと信じていましたが 例え安く行けたとしても皆に支持される案ではありませんでした。読者の皆さんはAiやデジタル技術を自分の案を押し通す道具として使わない様に注意してください。そんな事をすればK男以上の独裁者になってしまいます。Aiやデジタル技術は総意を見極め、皆に支持される案を成立させるために使いましょう。
社員全員に事前アンケートは取ったのですがどこに行きたいか、どこに行くなら参加してもらえるかを尋ねてもろくに答えは返ってきません。
Google検索:”慰安旅行 目的 参加率”で何かヒントは無いかと探してみました。
すると世の中の人が慰安旅行に参加したくない理由が浮かび上がってきました。更に参加率を上げる工夫として「行動内容の充実」、「コースの多様化」、「アンケートの工夫」などの方針が浮かび上がってきました。
これを参考に再度アンケートで尋ねる内容を修正し取り直すことにしました。前回の事前はアンケート用紙に回答者名が分かる様に書かせましたが、今回はLineのオープンチャットを活用します。
再アンケートでは参加したくない場合の理由を問いました。誰が投稿したか特定されませんし、他人の意見を見ながら自分の意見を書き込めます。
こうして得られたM支店で働く30数名の総意です。
こんな内容が社員全員の総意として確認できました。
幹事チームの形が出来きて、課題が共有できたところで。ロードマップを作ります。利用したのはEXCELのスマートアートグラフィック。追記、修正、削除が出来てとても便利です。
ロードマップは会議で議論しながらメンバー全員で作り上げていきます。こうして自主的に誰がいつまでに何をすれば良いかが決まって行きます。
EXCELの表とグラフで収支を計算し参加費と参加人数をシミュレーションしました。
近場で安い旅行であればボス(所長)の条件(一泊二食 温泉 宴会 バスチャーター)を満たしても 参加費が積立金以内(2万円程度)で行ける条件を確認しました。
参加人数30名以上が何と言っても重要です。私OもS子もR子もあまり旅行には行かないのですが安近短でも良いプランを何とか打ち立てて、30名以上が参加してくれる様にしなければなりません。
R子が「富士山麓巡りはどうかしら」と発言します。
最初、私Oは富士山と言うと東京からも近く 富士急ハイランド 富士サファリパーク 山口湖 河口湖 などは誰もが行っているだろうから”魅力が無い”と思えました。でも否定はしません。EXCELメモ議事録に書き込みます。
S子は「富士山は地下水源を生み出す巨大装置」というテレビ番組を見た事があると発言してくれました。
そう言われれば我社の仕事は飲料水の卸し営業です。”今まで見過ごしていた水にまつわるお薦めスポット巡り”であれば魅力的なプランになるかも知れないと思えました。
最初、Google検索「富士山麓 水にまつわるおすすめスポット」で検索しましたが今一思うような記事が現れません。
Google再検索「富士山麓 天然水 おすすめ観光地」と言葉を変えて検索してみます。
ここで”忍野八海”が紹介されました。広いエリアに綺麗な湧水の池や川の画像が表示され、観光だけでなくショッピングや美味しそうな屋台もあります。候補の一つとしては良さそう。
>>絶景!忍野八海(おしのはっかい)の魅力
ここから自分達が行きたいところはどういうキーワードで探せばよいかを3人で推測。
Google再々検索「富士山 湧き水 名水 人気観光地」
これで幹事3人が行ったことないけれど良さそうな候補がずらりと出てきました。
尚、Google検索は同じキーワードを打ち込んでも出てくる記事は日によって異なりますので上記の様に打ち込んでも同じ結果が得られるとは限りません。
ホテルとか旅館で探している内は予算に収まらない高そうな宿ばかり。
Google検索「富士山麓 健康ランド」という検索語で探すと宴会や温泉大浴場、宿泊もできて安くて良い所が意外と見つかりました。これまでに利用して来た和風旅館とは趣きが違いますが、若手には喜ばれそうですしボス(所長)指名の条件もちゃんとクリアします。
”名水お薦めスポット”の候補はほぼ出そろい。ネットに書き込まれた行ったことある人の感想も参考に絞り込みます。
S子やR子が発言で”ショッピングを楽しめる場所”も入れた方が参加者達から喜ばれると言います。御殿場アウトレットを目的地に追加します。
目的地の候補が出揃った所で二日間で無理なく効率よく回り切る工程表(何日何時に何処を立ち寄るを書いた表)を作成します。幹事達にとって大半が行ったことない場所ばかりですが旅行代理店には頼らずAiを使いこなしながら作成します。
Google検索で「経路探索 複数目的地 」と入力すれば実施要領が出てきます。会議室でパソコン画面を大型モニターに表示しながら工程表の作成を試みます。
パソコンで Google マップを開きます。
発車地点(東京の営業所駐車場)と到着終了地点(ホテル)を入力します。
Google マップに入力すると地図上の2点を結ぶ経路が表示されます。
入力した目的地の左下にある [追加] に別の目的地を追加します。
皆の総意”バスで長時間の移動は嫌!”に配慮して途中休憩を多めに盛り込みます。トイレに行かない人にもバスから降りてストレッチを呼び掛けエコノミー症候群を予防します。
ホテルに付いたら温泉大浴場入浴 と宴会で夕食です。皆の総意”宴会の強要は嫌!”に配慮して他のお客様ともオープンな大広間を選びます。
便利なのは Google マップに打ち出された工程は追加、削除、変更。順番の入れ替えが自在にできます。
他にも幹事同士で話し合いながら昼食場所やついでに立ち寄りたい所を適当に組み込みます。
皆で組み立てるという感じでとても楽しめます、旅行代理店任せではこうは行きません。
朝、朝食をとってからバスで出発です。皆の総意”ボスへの忖度に意味を感じない”に毎年恒例の朝ゴルフ希望者のみ自費参加としました。
を入力すると2点を結ぶ経路が表示されます。入力した目的地の左下にある [追加] に別の目的地を追加します。
慰安旅行計画案がお薦めスポット写真付きで出来ました。
幹事達が協力し合って作り上げた慰安旅行計画案。果たして30名以上集まるでしょうか?
参加募集をする前に、旅行計画案をlineのオープンチャット(匿名参加が可能)に流して皆の反応を見ます。
S子やR子が参加/不参加の票読みをしてくれました。彼女達は日頃電話オペレーター業務でお客さんと応対していますので聞き上手です。コンセプトの天然名水巡りとショッピングが楽しめるツアーは好評でした。
それでも参加者が30名に達しない見通しでした。
理由はM支店では慰安旅行の実施日が土日の休日と決まっていたからです。
事前に確認しました皆の総意にも参加したくない理由に「休日に駆り出されるのは嫌!」とありました。何と幹事のK男も不参加のつもりです。S子とR子のお陰で大切な状況判断ができました。
平日実施にすれば参加率30名以上のノルマを達成できます。でも私Oではボス(所長)に掛け合ってもまず説得できないと思えました。
私Oはこの状況を打開するためにK男に「リーダーに復帰して、平日に慰安旅行が出来る様にボス(所長)を説得して欲しい。」と頼みます。
K男はお手柄は自分の功労とアピールできるのでリーダー復帰を引き受けます。彼は営業トップだけあって難しい交渉を切り抜けます。”名水の名所を巡るという企画は社員研修の効果もあります”とボス(所長)に訴えます。
ボス(所長)は最初、平日2日間の慰安旅行実施に難色を示していました。でもK男の説得についに折れます。全員、有給休暇扱いで平日実施を承諾します。
それから半年後の秋の良き平日、慰安旅行は無事終了しました。参加者は目標の30名を越え営業所ほぼ全員が参加してくれました。観光バスをチャーターし”名水にまつわるお薦めスポット”と”ショッピング”を楽しみ、大浴場で温泉に入り宴会も無事終了。参加者の評判は上々でした。
ただ一人、ボス(所長)を除いて。
ボス(所長)が不満だった理由は宴会場がオープンな騒がしい広間だった為です。宴会が始まる前にボス(所長)が延々と長ぁぁぁい演説を行いますが騒がしくてよく聞こえません。皆、無視して勝手に飲んで食べていました。更に参加者達は恒例のお座敷芸ノルマを誰もさせられずに済みました。
ボス(所長)のK男に対する評価が厳しかったのは予想外でしたが、これはクリアすべき条件にありませんでしたので私OとS子とR子は気にしない事にしています。
マンネリ化し、本来の目的が歪められ、不人気だった恒例の慰安旅行を私達幹事がAiやデジタル技術を活用しながら変える事が出来き皆に喜んでもらえたのですから立派なDX(デジタルトランスフォーメーション)を果たしたと満足しています。
決められた仕事しかしない、上司から命じらた仕事しかしない、組織に守られていないと何もできないでは
と言う事になりかねません。
サッカーやラグビー、バレーボールの様に組織の中で目的とか理想を共有し皆で力を合わせる事は素晴らしい事です。
どんな組織、会社でも何かしら未解決の課題や問題を抱えています。肩書、役職、序列に関わらず仕事、職務を通じて自ら課題や問題を見つけ出し、協力してもらい協賛を得ながら解決できる人材になる事を目指しましょう。
大切なのは企画提案力と、戦略的スキルと、独立心を養う事です。こういう力は座学ではなく実践で養いましょう/span>
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